▼ 2011年6月6日(月) 11:44:19
1回目では下の図の四角で囲った部分(上下句末音)に注目したのですが、この回からは、それ以外のところを細かに見ていくわけです。
と言うわけで、2回目は57577の各句の長さを見ていきます。
下の図の赤い部分です。
57577のそれぞれの句内の末尾にある音声が、長く引き伸ばされていることが見て取れます。
たとえば鵲の曲では、下の赤い字が句末音になる。
- かささぎ の
- 渡せる橋 に
- 置く霜 の
- 白きを見れ ば
- 夜ぞ更けにけ る
そこで、句末音とそれ以外の音の長さを集計して比較する。
- 句末 句末他
- 音の個数 500 個 2,635 個
- 平均時間 2,003 ミリ秒 261 ミリ秒
一般の音が 261 ミリ秒 のところ、句末は 2,003 ミリ秒と8倍ほども長い。
ただし、このデータには、(1) で触れた上下句末の影響が入っている。そこで上下句最後の第3句と第5句を除いて集計して比較する。
- 句末 句末他
- 音の個数 300 個 1,619 個
- 平均時間 521 ミリ秒 236 ミリ秒
一般の音が 236 ミリ秒 のところ、句末は 521 ミリ秒と2倍強長いことがわかる。
百人一首朗詠 音長律の規則 (2) |
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句末が引き伸ばされる。 |
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次回は、文節のリズムを見る。
⇒百人一首に見る音長律の入れ子構造 (3)
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