百人一首 音長律の意味
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▼ 2011年3月2日(水) 14:22:25
百人一首朗詠の音長律は、どういう意味を持つのだろうか?
何のために、長い音や短い音を使って朗詠するのだろうか?
あるいは、ただ単に、美を追求してきた結果の偶然的産物なのだろうか?
物知りな人は、たいてい、日本語の音はみな同じ長さを持つ(拍の等時性)と言います。でも、百人一首の朗詠(歌会の朗詠も)は、音の長さに変化を持たせているのです。
なぜ?
あるいは、ただ単に、2拍1組の偶数拍(拍節律)に57577の奇数音(音数律)を当て込むために、音を伸ばしたりしているだけだろうか?
この疑問への答えを求め、あらためて 音長律のグラフを見てみよう。
何かの規則に気付かないだろうか?
答えを明かす前に、少し趣向を変えて、次の文を見て見ましょう。
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かささぎのわたせるはしにおくしものしろきをみればよぞふけにける |
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読みにくいと思います。
なぜでしょう!?
次に進むと 答えが見えてきます
すすむ
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かささぎのわたせるはしにおくしものしろきをみればよぞふけにける |
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さっきより 読みやすくなったと思います。
種を明かすと 文節の区切りが赤い字になっているのです。
実際には、文節が4音節や5音節の時には、途中に一つ赤い字が入っていますが。
分かち書きの要領と同じで、意味のまとまりがつかみ易いのです。
この赤い字のところが、朗詠のときに長く伸ばされている音です。
音を長く伸ばすことによって、音のまとまりを作り出し、意味を取り易くしているわけです。
つぎのは、拍節律風に57577のまとまりで分かち書きしたものです。
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かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける |
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これも、最初のべた書きに比べて 分かり易くなっています。
音のリズムは、音声を聞き取り易くするための工夫ではないでしょうか。
日本語では、拍節のリズム(拍節律、拍節法とも言います)が有名ですが、音長によるリズム(音長律)もあることを 知っていただければと思います。
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関連ページ
2011年2月27日(日) 19:00:46 ⇒なぜ百人一首だったか?
2011年2月22日(火) 10:51:24 ⇒音長律とは
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