音長律とは
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▼ 2011年2月22日(火) 10:51:24
「日本語の音長律」の動画をYouTubeにあげたところ、さっそく多くの方から意見がありました。
- 音長律という言葉は、はじめて聴きました。なにを音長律と呼んでいるのか、よく分かりませんでした。歌詞(詩)は拍節律、楽譜は音長律?
- コエを視覚化したものは、波形図のようなものしかなく、もっと簡単な視覚表現のほうがわかりやすいとおもいます。
- このやり方で長唄や、謡曲、浪花節を分析すると面白そうですね。
- 普段無意識に使っている日本語にこんなリズムがあったとは知らなかった。いい研究ですね。
音長律は、音の長さでリズム感を創り出すことを意味する、新しい言葉です。音数律や拍節法と対比しています。
日本語のリズムについて、学説では音数律だとか拍節法だとか言われてきました。しかし、今回「音の長さ」に注目して百人一首朗詠を解析したところ、特徴的なパターンが出てきたのです。そこで、民謡や小唄や歌謡曲や呼び声などを解析すると百人一首で見られたパターンが多く見つかりました。またこのパターンとは別の呼び声のパターンも見つかりました。
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普通、ひらがな1文字で、ひとつの音になる。この音の継続時間のこと。
それだけのことだが、学術議論になるとすぐに複雑になる。
- 学者間では、日本語の音は<モーラ、音節、フット>と分類されることがある。
- ありがたいことに、百人一首では特殊拍(「ん」や「しょ」や「っ」)がないので分かり易い
音の始まりと音の終わりをどうするかも、議論が分かれる
- リズム感を作るのは音の強い部分で、それは普通、音の開始から少し時間が経ったところとなる。
- 音の始まりが破裂音や摩擦音や促音などなどで、開始位置の捉え方をどうするのか?
- 音の終わりは、普通、音が次第に消えるので、開始位置ほど明確でない
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57577のように、音の数を指折り数えて、規則を作ること。
- 音長律は、書記言語の仮名文字数と一致するが、実際には音の長さや抑揚と言う音の現れ方にも関わってくる。
- 実際、百人一首のうち57577からはずれ、字あまりや字足らずのものが3割を越える。
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音楽の採譜で、小節線で区切り、その中に同じ数の拍が入っているようなしゃべり方。
- 日本語は2拍で1単位(単位拍と呼ぶ)を作り、それが1小節となるので、57577のような奇数音の場合、休止(間)が1拍あるいは3拍入ることで完結すると言う考え方が、学説となっている。
- たとえば、<かさ|さぎ|の×|××>と記述する。
- これに対して、萩原朔太郎(自由律)や奥忍のように異を唱えるものも多い
- 萩原朔太郎: 「形式律としてのリズム」でなく「自由律としてのリズム」
- 奥忍: 百人一首朗詠で、単位拍、モーラは等拍・等時でなく、流動的。特に、すべての句で最終拍は引き延ばされている。
- 日本の民俗リズムを探求した小泉文夫は、拍節法以外のリズムを見出していた
- 八木節様式の民謡: 拍節法
- 追分様式の民謡: 無拍のリズム、自由なリズム
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文節や句末にむけて音を長く引き伸ばす入れ子構造を持つ
詳しくは こちら ⇒ニュースミント21号
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百人一首朗詠の音長律を基本としつつ、「やーきいもーー」のように冒頭の音を長めにするのが、呼び声の音長律。
この音長律は、美空ひばりの「川の流れのように」にも見られる
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