なぜ百人一首だったか?
|
|
|
[↓] 1 |
▼ 2011年2月27日(日) 19:00:46
研究対象として、百人一首の朗詠を最初に選んだのには、わけがあった。
2秒前後の音声の中に組み込まれた構造として、すぐに思い浮かぶのが、抑揚や強弱だ。音楽の旋律を見ると分かり易いが、5線譜のミやソの位置に四分音符や八分音符が置かれ、クレッシェンド(次第に音を強く)などの記号が加えられる。
こうしたリズムやメロディから、音の長さの要素だけを取り出して調べるにはどうすればいいか?
メロディのある音律から、音長だけを取り出す
それには、初めから音の長さ以外の抑揚や強弱を持たないものを対象にすればいい。
それが百人一首の朗詠だった。
百人一首朗詠の特性
- 歌会などを通した数百年の和歌朗詠リズムが埋め込まれている
- 万葉から鎌倉までの洗練された和歌で、恋愛や四季の風情などが巧みに歌われている
- 百人一首は時代を超えて、今なお親しまれ、生きた音の文化となっている
- 和歌の形式は57577の音数律をベースにしている
- 特に競技カルタでの朗詠は、和歌それぞれの心情によらずに、淡々と、言葉を正確に伝えることを良しとしているので、抑揚や強弱が排除されている。
- 競技カルタでの朗詠は、参加者ら多くの人々に支持されるよう、熟練を重ね、洗練されたものとなっている
朗詠の動画は ⇒こちら
|
[↑][↓] 2 |
関連ページ
2011年2月22日(火) 10:51:24 ⇒音長律とは
|
|
ミントの徒然研究 ブログのページは 研究経過の覚書です
ご意見をお寄せください
|
|
|
形に輪郭があるように、音にも輪郭があると考えられる。
それは、視覚の錯視をもたらすように、聴覚の錯聴を生み出す元にもなる。
|
|
人は1分間に10〜20回呼吸をする。その息を吐く(呼気)時に合わせて、言葉をしゃべるので、数秒間しゃべったあと、「スッ」っと息を吸わなければならない。
|
|
グラフの山の形が呼気段落長の分布を示し、その統計数値が聴覚認知特性と重なっている。
|