大総代が捕えられた獄舎について

大総代が捕えられた獄舎について

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城下古図に「獄屋」の記載を発見

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大総代が捕えられていた獄舎と思われる牢獄を、城下古図に見つけた。

古図は慶応丙寅（慶応2年、1866年）12月下旬のもので、寛敏の署名と花押がある。

1866年と言えば五万石騒動が起こる3年前のこと。まさに直前の城下図である。

図中の点線は城下押し寄せの時の経路

地図の左上に「獄屋」とある。

ところで、細野格城の記録には次のように書かれている。

高崎藩へ護送せられた大総代は何云に次第になったかと言うに、広小路桝方の側（そば）にあります不浄蔵の内へ押込み、番人を附し、その番人は植竹、今の鎌倉町特種の者をして監視せしめたなどとはその待遇の上からして罪を憎まずして人を憎むというような取り扱い方で残酷な仕方であった。

先の古図の上側中央に見える緑色の部分が、広小路の芝で、そのすぐ下の太く黒い線で鍵形に書かれているのが、桝方である。桝方とは、敵軍が侵入しにくいように、道をジグザグにして両側を石垣などで固めたものである。

この格城の記録と、古図を照らし合わせると、図中左上の「獄屋」こそが、大総代が閉じ込められた「不浄蔵」である可能性が高い。

４千を越える農民たちと城下に押し寄せ、惜しくも広小路の一歩手前で押しとどめられたその升形木戸。その木戸の目と鼻の先に押し込められた大総代三喜蔵と喜三郎の気持ちは、いかがなものであったろうか。

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