「小園江丹宮」について

「小園江丹宮」について

もくじ

小園江丹宮は神官だったか？

[↓] 1
1	小園江丹宮は神官だったか？	もどるもくじへ

１月定例研究会でのカルタ編集会議でのことであった。
（わ）の札「若者に知識授ける小園江丹宮」の説明文案に以下の一文があった。

南大類の地に柳原神社があります。この神官（同時に明王寺座主を兼務）をしていたのが丹宮でした。

小園江丹宮が柳原神社の神官？？

そこでさっそく格城本を調べ、小園江丹宮についての記載を集めてみた。（数字は復刻格城本のページと行）

南大類村観音の別当小園江丹宮（P.171-2）
小園江丹宮師の祖は水戸の藩士（P.171-5）
僧官は大僧都（P.171-5）
わけあって南大類村で観音の別当となった（P.171-5）
近郷の子供達を集めて経書などを研鑽したりして教育に意を尽くし、師に教えを乞うた者は数百人とも言われる。（P.171-6）
田村師はやや藩よりで四民六藩と言われ、小園江師は百姓よりで六民四藩と言われていた。（P.172-23）

南大類の柳原観音は、城下押し寄せのときの終結場所にもなったが、普段は塾舎であったようだ。

柳原馬頭観音堂とも言われる。

神仏習合とは言え、柳原観音を神社と言い、小園江丹宮を神官と呼ぶのは、筋が違うようである。

観音堂は江戸時代に焼失したが、近郷１０６ヵ村の寄付で１８５２年（嘉永５年、騒動の１５年前）に堂が建立されたものが現存している。

端正な三間堂で、柱や軒下にはみごとな龍の彫刻などが施してあり、当時の農民の文化と経済力を物語っている。

小園江丹宮の墓は慈願寺の墓地にある。ひときわ大きな作りが人柄と影響力、当時の人々の想いをしのばせてくれる。

墓石には

前大先達
阿闍利法印
丹宮之墓

とある

墓石の裏面には文字が掘り込んであり、明治２３年、明治２８年とかすかに読み取れる。

[↑] 2

⇒五万石騒動のトップへ